
1.座る時間を区切り、お尻と腰が楽な座り方へ

座り仕事でお尻や腰がつらいときは、同じ姿勢が続く時間と、椅子の支え方から見直しましょう。短い休憩をこまめに入れ、席を立つ・歩くなど、仕事の中で姿勢を変える機会をつくります。[1]
殿筋(でんきん)はお尻の筋肉で、股関節の動きに関わります。[2] 殿筋のケアを考えるときも、座る環境、立ち上がりや歩行のつらさ、腰や脚の症状まで含めて方法を選びます。脚のしびれ・力の入りにくさがある方は、先に第6章を確認してください。
2.大殿筋・中殿筋は、どんな動きで働く?

大殿筋(だいでんきん)は、股関節を伸ばす・脚を外向きに回す動きに関わります。中殿筋(ちゅうでんきん)は、お尻の横側にあり、脚を横へ開く動きなどを担います。[2]
腰だけを曲げ伸ばしするのか、股関節も動かせるのか。腰やお尻のつらさを確認するときは、こうした動きの違いも見ます。ただし、筋肉の働きが分かることと、その人の痛みの原因が分かることは別です。腰痛には、腰の病気や股関節などの病気が関係する場合もあります。[3]
3.座っている間と、立ち上がるときを分けて考える

座っている間にお尻がつらい
座面が当たる場所がつらいのか、時間がたつと腰まで重くなるのかを分けてみます。座り直すと楽になる場合は、その感覚をもとに椅子を調整します。痛みを確かめるために、つらいまま座り続ける必要はありません。

立ち上がり・歩き始めがつらい
座っている間は平気でも、立ち上がる瞬間につらい場合があります。立つときに腰を急に反らせたり、勢いをつけたりせず、必要に応じて安定した肘掛けを使う方法もあります。[4] 歩き始めに脚のしびれや脱力がある場合は、筋肉のこりと考えて体操を続けず、第6章の目安で受診してください。

検査を受けた方は、その説明も踏まえてケアを選びます。画像だけでなく、診察や症状の経過を合わせて判断することが大切です。[3]
4.休憩と椅子の調整を仕事に組み込む

短い休憩を、作業の区切りに入れる
資料を一つ読み終えたら席を立つ、電話の後に少し歩くなど、仕事の区切りを利用します。HSEは、長い休憩を少なく取るより、短い休憩をこまめに入れることを勧めています。[1] 長く立つこともつらいなら、立ちっぱなしへ置き換えず、座る・立つ・歩くを無理なく切り替えましょう。

足裏と背中を支えられる位置にする
足裏が床か足台につき、背もたれで腰と背中を支えられるように椅子を調整します。机が遠く、身体を前へ伸ばし続けている場合は、キーボードやマウスも近づけてみてください。[5]
背筋を固めて「よい姿勢」を保ち続けるより、作業しやすく、姿勢を変えられる環境を目指します。座り仕事の詳しい調整方法は、デスクワークで腰が痛いときの工夫で紹介しています。
5.殿筋の運動は、できる範囲から始める

以下は、第6章の受診を優先したい症状がなく、医師から動作制限を受けていない方に向けた例です。手術後などで運動方法を指示されている場合は、その指示を優先してください。
仰向けで、お尻を少し持ち上げる
仰向けで両膝を曲げ、足裏を床につけます。お尻に力を入れて骨盤を持ち上げ、ゆっくり下ろします。[6] 高く上げることを目標にせず、腰や脚に痛みが出ない小さな動きから試してください。床に寝る・起きる動作自体がつらい方は、無理に行わないでください。

腰や脚の痛みが増す場合は中止し、医師などへ相談してください。[7] 回数をこなすことより、動作を無理なく行えることを優先します。運動が合わないと感じたら、別の方法を選び直します。

ストレッチは、痛みを我慢して深く伸ばさない
お尻を伸ばす運動でも、腰・股関節・脚の痛みが増す場合は中止します。[7] 殿筋だけを強く伸ばしたり鍛えたりすることに偏らず、歩くことや、普段の活動も続けられる範囲で取り入れましょう。
6.受診を優先したい腰・お尻・脚の症状

排尿しにくい・尿便が漏れる、股の間や肛門まわりの感覚が鈍い、両脚に痛み・しびれ・脱力が新しく出た場合は、救急受診を優先してください。腰痛と胸痛が同時にある場合や、大きな事故後の腰痛も同様です。[7]
発熱や悪寒、全身の具合の悪さ、突然の非常に強い痛み、急速な悪化は当日中の相談が必要です。[7] 片脚のしびれ・力の入りにくさ、安静でも軽くならない痛み、次第に悪化する痛みも、早めに整形外科で確認してください。[3]
セルフケアや当院からのLINE返信を待たず、医療機関への相談を優先します。
7.当院では、腰と股関節の動きを確認します
からだ鍼灸整骨院では、座る・立つ・歩くときのつらさを伺い、腰と股関節の動き、筋肉の状態を確認します。施術内容を説明し、トリガーポイント鍼や筋膜リリースなどから状態に合う方法を選びます。
施術後も同じ動作で変化を確かめ、仕事中の休憩や座り方、自宅で行う運動をご提案します。鍼が苦手な方は、鍼を使わない方法もご相談ください。
参考資料
資料確認日:2026年10月6日。個別の診断に代わるものではありません。
- HSE「Work routine and breaks」 — 短い休憩をこまめに入れ、作業や姿勢を変える工夫。
- UAMS「Muscles of the Lower Limb」 — 大殿筋の股関節伸展・外旋、中殿筋の股関節外転などの作用。腰痛の原因割合や治療効果の資料ではない。
- 日本整形外科学会「腰痛」 — 腰痛の多様な原因、診察と必要な検査、しびれ・脱力や悪化する痛みの受診。
- Wirral Community Health and Care NHS「Back pain (lower)」 — 腰痛があるときの起き上がり・立ち上がりの工夫。
- HSE「Good posture when using display screen equipment」 — 背もたれと足裏の支持、椅子・机・入力機器の配置の工夫。
- Berkshire Healthcare NHS「Physiotherapy advice for low back pain」 — 温冷パックの皮膚保護、感覚低下・皮膚損傷がある部位への使用回避、活動の段階的な再開。
- NHS「Back pain」 — 活動の継続、運動で悪化した場合の中止、救急・当日受診の目安。受診制度は日本向けに表現を調整。
筆者紹介

からだ鍼灸整骨院 代表 長野 圭佑
保有資格・専門分野
- 鍼灸師・柔道整復師(国家資格)
- NESTA PTI(パーソナルトレーナー)
- アクティブリリーステクニックマスタープロバイダー
- 臨床トリガーポイント
- TPI(タイトリストパフォーマンス研究所)





