
「夏になってから、朝起きても疲れが取れていない」「エアコンをつけても消しても、途中で目が覚めてしまう」——7月に入り、静岡市のからだ鍼灸整骨院にも、こうしたご相談が増えてきました。デスクワークで冷房の効いた室内に長時間いる方や、暑さで寝苦しい夜が続いている方から、特にこうした声をよく聞きます。
睡眠の質が下がる原因というと、寝室の温度や生活習慣が思い浮かびやすいかもしれません。ですが、首や呼吸に関わる筋肉の緊張が、自律神経のスイッチの切り替えを妨げていることも少なくありません。今回は、夏に眠りが浅くなる理由と、関わりやすい筋肉、今日からできるセルフケアを解説します。
なぜ夏に眠りが浅くなるのか
理由は大きく3つ考えられます。
- 寝苦しさによる交感神経の優位——気温・湿度が高いと、体は熱を逃がそうと血管を広げ、汗をかく働きを続けます。本来なら夜間はリラックスに向かう副交感神経が優位になるはずですが、暑さへの対応に体が働き続けることで、交感神経が優位なまま朝を迎えてしまう方が少なくありません。
- 冷房による呼吸の浅さ——冷えた乾いた空気の中では、無意識に呼吸が浅く速くなりがちです。浅い呼吸が続くと、体を落ち着かせる副交感神経への切り替えが起こりにくくなり、寝つきにも影響することがあります。エアコンの風に長時間当たり続けることも、呼吸のしづらさに拍車をかけることがあります。
- 日中の緊張の持ち越し——冷房の効いた室内でのデスクワークや、暑さでこわばった姿勢が、首・肩まわりの緊張として夜まで残ります。日中に緊張がゆるむ時間がないまま就寝時刻を迎えると、体が休息モードに切り替わりにくくなることがあります。
眠りの質に関わりやすい筋肉
当院で眠りの質に関するご相談を受ける際、触診でよく確認するのは次の筋肉です。痛みの訴えがなくても、緊張が強いことは珍しくありません。
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)
後頭部の骨と首の上部をつなぐ、複数の小さな筋肉の集まりです。頭の位置を微調整し、視線を安定させる働きに関わります。スマートフォンやパソコンの画面を見続ける時間が長いと緊張しやすく、この筋肉の緊張が自律神経に関わる神経の通り道の近くに集まっているため、リラックスへの切り替えに影響することがあると考えられています。
横隔膜(おうかくまく)
胸とお腹を隔てる、呼吸のメインエンジンとなる筋肉です。息を吸うときに収縮して下がり、深い呼吸を支えます。冷房の乾いた空気や暑さへの緊張で呼吸が浅くなると、横隔膜が十分に動かないまま日中を過ごすことになり、夜になっても呼吸が浅いパターンが抜けにくくなることがあります。呼吸が浅い状態が続くこと自体が、寝つきにくさの一因になっている場合もあります。
上部僧帽筋(じょうぶそうぼうきん)
首の付け根から肩先にかけて広がる筋肉で、腕を支え続ける動作や、暑さ・冷えへの緊張で無意識に力が入りやすい場所です。ここが硬くこわばったままだと、体が休息モードに入りにくく、眠りが浅くなる背景の一つになることがあります。デスクワークで肩をすくめる姿勢が長い方は、特に負担が集まりやすい筋肉です。
今日からできるセルフケア
- 寝る前に4秒吸って6秒吐く呼吸を5回——横隔膜を意識してゆっくり動かすことで、副交感神経への切り替えを促します。ベッドに入ってからでも構いません。
- 就寝1時間前に照明を落とし、画面を見る時間を減らす——後頭下筋群の緊張を和らげ、目と首の力を抜く時間を作ります。スマートフォンを見る時間を意識して区切ることがポイントです。
- 就寝前に38〜40度のお湯に10〜15分つかる——上部僧帽筋など首・肩の緊張をゆるめ、寝つきをサポートします(のぼせやすい方や体調がすぐれない日は無理をせず)。
- 日中、1〜2時間に一度、肩を回して深呼吸を3回——冷房環境で緊張が蓄積する前に、こまめにリセットします。デスクワーク中でも椅子に座ったままできます。
- 寝室の温度は26〜28度、湿度は50〜60%を目安に——体が体温調節に使うエネルギーを減らし、交感神経の過剰な働きを抑える助けになります。
セルフケアで変わらないときは
対策をしても「眠りが浅いまま」「朝起きても疲れが抜けない」という場合は、首・呼吸に関わる筋肉の緊張や、姿勢・動作のクセが背景に重なっているかもしれません。数字を意識したセルフケアを続けても変化を感じにくいときは、一人で抱え込まず相談先の一つとして考えていただければと思います。
からだ鍼灸整骨院では、触診と姿勢動作評価で負担が集まる背景を確認したうえで、トリガーポイント鍼・筋膜リリースを状態に合わせて組み合わせます。首まわりの深い層の緊張には、鍼によるアプローチも選択肢になります。呼吸のしやすさや姿勢のクセも合わせて確認し、セルフケアの続け方についてもご相談いただけます。鍼が苦手な方には、鍼を使わないケアもご提案します。
なお、動悸や息苦しさが強い、日中の強い眠気で生活に支障が出ている、といった場合は、施術より先に医療機関での確認をおすすめしています。
この症状の施術をお考えの方へ
からだ鍼灸整骨院では、筋肉・筋膜の状態を触診と姿勢動作評価で確認し、トリガーポイント鍼・筋膜リリース・鍼通電を組み合わせた施術を行っています。





