
1.腸腰筋は、どこにあり、どんなときに働く?
腸腰筋(ちょうようきん)は、大腰筋と腸骨筋を合わせた呼び名です。大腰筋は腰の背骨から、腸骨筋は骨盤の内側から始まり、太ももの骨の内側にある小転子(しょうてんし)へつながります。[1]
脚を持ち上げ、腰の動きにも関わる
腸腰筋は、股関節を曲げて太ももを持ち上げるほか、腰を曲げたり横に傾けたりする動きにも関わります。[1]

2.腸腰筋の硬さだけで、腰痛の原因は分かる?
腸腰筋が硬いというだけでは、腰痛の原因は決められません。腰痛には、腰の病気、股関節など腰以外の部位、内臓の病気が関係する場合もあります。[2] 腰と股関節の動きに加え、痛みが始まった時期や、つらくなる場面を確認します。
股関節の動く範囲は、骨盤の傾きにも影響される
股関節を後ろへ伸ばせる範囲は、検査時の骨盤の傾きにも影響されます。[3] 動く範囲や「硬い・柔らかい」という印象だけで判断せず、生活の中で困る動作と合わせて確認します。
検査で大きな異常がないと言われた場合も、医療機関では症状に応じて診察や検査を組み合わせて判断します。[2] 痛みが続くときは、受診時にどのような説明を受けたかと、今も困っている動作を伝えてください。

3.立ち上がりや歩き始めのつらさを確認する
座る・立つ・歩く、どの場面で困るか
座っている間に痛むのか、座った後の立ち上がりがつらいのか。同じデスクワークでも、痛みが気になる場面は違います。次のような動作をもとに、腰と股関節の動きや症状の経過を確認します。確認のために、痛い動きを繰り返す必要はありません。
- 長く座った後だけ、立ち上がりがつらい。
- 歩き始めや、脚を後ろへ引くときに腰や股関節の前が気になる。
- 仰向けで脚を伸ばすとつらく、膝を曲げると楽になる。
- 動きづらさだけでなく、脚のしびれや力の入りにくさがある。
これらは、痛みの原因を自分で決めるための検査ではありません。脚のしびれや力の入りにくさがある方は、先に第5章の受診目安を確認してください。
楽になった動きと、残っている痛みを確認する
例えば、休憩後は立ち上がりやすくなっても、午後はまたつらくなることがあります。ケアを続けるときは、楽になったことと、まだ困っていることを両方確認します。一度変化があっても、それだけで腸腰筋が痛みの原因だったとは決められません。

4.腸腰筋を伸ばせばよい?セルフケアの選び方
以下は、第5章の受診を優先したい症状がなく、医師から動作や安静について別の指示を受けていない方に向けた工夫です。
腸腰筋のストレッチだけでよいとは限りません。運動は身体の状態に合わせて選びます。[2] 長く寝込まず、できる日常の活動を続けましょう。[4]
同じ姿勢が長く続いてつらくなる方は、立つ・短く歩くなど、姿勢を変える機会をつくります。椅子や机の調整は、座り仕事で腰が痛いときの工夫で詳しく紹介しています。
ストレッチや体操で腰や脚の痛みが増す場合は中止し、医師などへ相談してください。[4] 股関節の前を痛みが出るまで伸ばしたり、お腹の奥を強く押したりせず、無理なくできる方法を選びましょう。

5.受診を優先したい症状
腰痛とともに、尿が出にくい・尿や便が漏れる、股の間や肛門まわりの感覚低下、両脚の痛み・しびれ・力の入りにくさが新しく出た場合は、救急受診を優先してください。胸の痛みを伴う場合や、大きな事故後の腰痛も同様です。[4]
発熱や悪寒、全身の具合の悪さ、突然の非常に強い痛み、急速な悪化がある場合は、当日中に医療機関へ相談してください。[4]
片脚でもしびれや力の入りにくさがある、安静でも楽にならない、痛みが次第に強まる場合は、早めに整形外科で確認を受けましょう。[2] セルフケアやLINEの返信を待って様子を見る状況ではありません。
急に強い腰痛が起きたときの過ごし方は、ぎっくり腰の直後の対処と受診の目安もご確認ください。
6.当院では、腰と股関節の動きから確認します
腸腰筋をほぐしたほうがよいか迷っている方も、ご相談ください。静岡市葵区のからだ鍼灸整骨院では、生活で困る動作や、できるようになりたいことを伺い、実際の動きと筋肉の状態を確認します。施術は内容を説明したうえで、状態に合う方法を選びます。施術後は同じ動作で変化を確かめ、セルフケアや今後の見通しもお伝えします。
鍼が苦手な方は、鍼を使わない方法についてもご相談ください。LINEでは「いつから」「いちばん困る動作」「受診の有無」をお知らせください。第5章の症状がある場合は、先に医療機関への相談を優先してください。
LINEで予約・相談する(別タブで開く)
来院の流れははじめての方へ、費用は料金のご案内で確認できます。
仰向けで寝ると痛む方は、寝方の工夫と受診の目安もご覧ください。

参考資料
資料確認日:2026年10月5日。一般的な情報であり、個別の診断に代わるものではありません。
- University of Arkansas for Medical Sciences「Muscles of the Abdominal Region」 — 大腰筋・腸骨筋・腸腰筋の起始、停止、作用について。腰痛の原因割合や施術効果を示す資料ではない。
- 日本整形外科学会「腰痛」 — 腰痛の多様な背景、診断、受診を優先したい症状について。
- Vigotsky AD, et al.「The modified Thomas test is not a valid measure of hip extension unless pelvic tilt is controlled」PeerJ, 2016 — 健康な成人29人における修正トーマステストの測定妥当性。腰痛患者への治療効果や、原因筋を確定する性能を調べた研究ではない。
- NHS「Back pain」 — 活動を続ける考え方、運動中止と医療機関への相談、救急・当日受診の目安について。英国の受診制度の名称は日本向けに表現を調整。
筆者紹介

からだ鍼灸整骨院 代表 長野 圭佑
保有資格・専門分野
- 鍼灸師・柔道整復師(国家資格)
- NESTA PTI(パーソナルトレーナー)
- アクティブリリーステクニックマスタープロバイダー
- 臨床トリガーポイント
- TPI(タイトリストパフォーマンス研究所)





