シンスプリントの症状は?
シンスプリントは脛骨(すね)の内側1/3に痛みや腫れを感じる症状です。画像の赤くなっている部分に痛みを感じることが多いです。
重症化してくると、脛骨に負担が蓄積し疲労骨折となることもあります。
スポーツを行っている人に現れる症状で、特に走ることが多いスポーツでシンスプリントになりやすくなります。
シンスプリントはなぜ痛むのか?問題となる筋肉は?
ヒラメ筋 後脛骨筋 長趾屈筋
シンスプリントは、繰り返しの動作や過度のジャンプや着地の負荷が蓄積する、いわゆるオーバーユースの状態になることで症状が発生します。
走る時やジャンプするときに、地面を蹴り上げます。その動きを底屈と言います。この底屈を行う筋肉が脛骨(すね)の後側についています。
シンスプリントの痛みの原因となる筋肉は、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋が主です。
これら筋肉は脛骨や下腿骨間膜に付着(付いている)しています。筋肉に負荷が蓄積し、筋肉が硬くなり、筋肉の柔軟性が低下することにより、付着部の脛骨に引っ張られる負荷が増加し、炎症が起き痛みが発生します。
シンスプリントはなぜ安静にしても痛みが治らないのか?
シンスプリントになり、安静にしてスポーツを再開すると痛みが出てしまう事が多くあります。
安静にしてもなぜ治らないのでしょうか?
理由は2つあります。
1つ目は、筋肉の緊張や柔軟性の低下は安静にしているだけでは改善されないからです。
安静にして痛みの出る動き(運動)を休むだけでは、一時的に炎症が治まり、シンスプリントの症状を感じなくなるかもしれません。
しかし、筋肉は一度過度に緊張してしまい、柔軟性が低下してしまうと、自己の回復力(自然治癒力)だけでは、筋肉の状態を改善することは難しいです。
2つ目は、関節(身体)の動きが悪いことによりシンスプリントが起きている為です。
シンスプリントの症状を改善する上で最も重要な事は、身体の動き(関節の動き)を正常な状態にすることです。
人は、走る時やジャンプする時に、この筋肉をどのくらい動かしてなどと考えなくても、走ろうと思えば走れますし、ジャンプしようと思えばジャンプができます。
実はここに落とし穴があります。一般アスリートレベルですと、自分の身体(関節)のコンデションや動きを細かく把握している選手はほとんどいません。
例えば、足関節捻挫をして、痛めてない側と比べて、少し足関節の動きが悪くなっても、痛みが出ていなければ治ったと認識します。
シンスプリントになった患者様の多くは、足関節・膝関節・股関節のいずれかの関節の動きが悪いです。関節の動きが悪くなることで、負のスパイラルが発生します。
負のスパイラルとは?
関節(身体)の動きが悪い→筋肉が余分に力が入り、緊張が増す→フォームが崩れたり、かばう動作をする→シンスプリントの原因となる筋肉の緊張増加・柔軟性の低下→シンスプリントの発症し、痛みがでる→関節(身体)の動きがさらに悪くなり→筋肉に更に余計な力が入り・・・といった具合で、安静にしているだけ治りませんが、痛みを我慢して運動を続けると、状態は悪化していき、パフォーマンスは低下してしまいます。
シンスプリントの対処法は?4つのポイント
シンスプリントの対処法は、4つあります。
- 早期に筋肉・身体の状態を把握する事
- 痛みのある動作を控える事
- アイシングを行う事
- 罹患筋のストレッチを行う事
⒈早期に筋肉・身体の状態を把握する事
上記にもあるように、シンスプリントで悩んでいる多くのアスリートは、筋肉の緊張が強く、柔軟性が低下し、関節の動きの制限もあります。
その為、早期に自分の筋肉・身体の状態を把握する必要があります。
例えるならば、パンクをした自転車で早く走ろうとしている状態です。
パンクした自転車は、一生懸命に漕いでもなかなか進みません。パンクしたまま走っていると、タイヤがホイールから外れてしまったりします。
自転車なら、まずパンクを直して、パンクをした原因を探しますよね?
人はもっと複雑ですが、同じです。
早期に原因を見つけて、解消したほうがパフォーマンスも高く練習を行うことができ、治癒も早くなります。長期化したシンスプリントでは、様々な箇所に緊張が波及するため、治療期間も長くなってしまいます。
⒉痛みのある動作を控える事
シンスプリントになってしまった場合は、中途半端にパフォーマンスの低い状態で、練習や試合に出るよりも、治すことに専念したほうが、結果的に早期解決につながります。
痛みがあると、正しいフォームで運動することが難しいため、下半身の運動は控えて、上半身のトレーニングや体幹の強化などを行うことをおすすめします。
⒊アイシングを行う事
どうしても運動をしなければいけない場合は、運動後にアイシングをすることが大切です。
シンスプリントは重症化してくると、炎症が強くなり患部に熱をもったり、腫れたりします。
氷嚢などで患部を10~15分ほどアイシングを行ってください。
*凍傷に注意してくだい*コールドスプレーは使用しないでください
⒋罹患筋のストレッチを行う事
ヒラメ筋や後脛骨筋など下腿の後面にある筋肉をストレッチすることで、筋肉の緊張、柔軟性を改善しましょう。シンスプリントに関連する筋肉は底屈という働きなので、足関節を背屈(爪先を上にあげる)
ことでストレッチができます。
まずは、アキレス腱伸ばしを行います。ここで大切なことは踵を極力上げないで、膝を曲げて下に落とすイメージで伸ばすことです。
15秒~30秒ほど左右とも行います。
*痛みを感じるようであれば、曲げる角度を調整するか、中止してください。
シンスプリントは筋肉の痛み専門家にお任せください!
シンスプリントは痛みの原因となる筋肉を正しく見つけ出し、適切な施術を行うことで、早期解決できる症状です。
当院では「筋肉の痛み専門家」として、プロアスリートから学生まで様々な患者様の身体の状態を確認し、コンディショニングを行っております。
最近思うように体が動かない、頑張って練習をしているのに成績が良くならない方は、一度お気軽にご相談ください!